Nicotto Town


無駄に費やす日々~日常という名の非日常~


新小説第16話part1

新小説プロジェクト(?)第1作品『気分は雨時々曇り後晴れ―非日常の世迷言―』
第16話『狐啼キたるマデ』
part1

九「クゥォーーーーーーーーーン!!」
狐啼く…それよりも少し時間を遡り、土地神に会う前の6組の会話、そして土地神による伝承の話。

なんでこいつなんかと…なんで私がこいつなんかと一緒なのですの!?
影夜「それ何回目?」
飛花里「だから、心を読まないでくらさる?!」
影夜「ごめんごめん、つい」
飛花里「ついじゃありませんの!」
影夜「そうだ、一つ怪談話でもどうだい?」
飛花里「ど、どんとこいですわ!」
影夜「これは昔友人が聞いた話なんだけどね。」
飛花里「それっぽいわね、でも昼間よ?」
影夜「まぁまぁ、で、話を続けるとするけどな…」
飛花里「男女二人っきりでする話じゃないわよね…正直言って」
影夜「でもでもぉ、俺っちには、君の趣味の悪さは筒抜けなのさ。」
飛花里「失礼ですわね!私の趣味はそんなものではありませんし、そんなに悪くありませんわ!」
影夜「ごめんごめん、じゃあ続けるよ。」
飛花里「ちょっと待ってくださるかしら?」
影夜「ん?」
飛花里「あれ、土地神じゃなくって?」
影夜「あぁ…あれね…俺っちわかんね。」
土地神「ん?…あぁお前は」
影夜「あ、あ、あんたは…」
土地神「影夜ーーー!!貴様、この前の貸し返せごらぁ!!」
影夜「貸し?俺っち金なんか借りてないですよぉ~」
飛花里「影夜、知り合いなのですの?」
影夜「えぇと、あんた逃げたほうがいいっすよぉ」
土地神「あんた…」
飛花里「何ですの?」
土地神「結構かわいいじゃないかい、どうだい?この俺と一緒にお茶しない?」
影夜「だから言ったっす…」
飛花里「貴方一体どなたですの?」
土地神「俺かい?俺は、その、この月吉町天原町新8区(あまはらちょうしんはちく)を統べる、テンゲンハルカミと言うんだ。」
テンゲン「(お前、こんなかわいこちゃん知ってるなら教えろよ、そうだこの子紹介してくれたら貸しはなしにしてやるよ)」
影夜「(紹介だけならするけど…それだけでいいわけないでしょ?付き合えるようにしろというんでしょ?)」
テンゲン「(それは…わからん…)」
影夜「えぇと、この女性は、吉影の森山に住む吉名 飛花里さんっす。」
テンゲン「なるほどぉ、美麗な容姿と同じく美しいお名前だ…って、尾狼んとこの娘さんか?なるほど、流石は尾狼だ、良く育てたな…光も無いところで。」
飛花里「あら、父様を知っていらすのね」
テンゲン「本当の両親も知ってるぞ?」
飛花里「結構です!私には父様は一人で充分ですの!」
影夜「知らない方が良いこともあるし、知りたくないこともあるっすもんねぇ。」
テンゲン「そういや、俺に何か話があるんじゃないのか?」
飛花里「そうでしたわ!影夜、説明お願い、私ちょっと用事があるんですの。」
影夜「(ったく、困ったお人だ…)今俺っち達、呪いやらをわけあって調べてるっす、土地神なら何か知ってるはずっすよね?」
テンゲン「まぁな、じゃあ俺の家においで」
そして私達は、天原(あまはら)神宮にやってきた…
テンゲン「天原町で一番権力のある神なんだぜ俺」
飛花里「意外ですわね」
テンゲン「言ってくれるぜー…」
そして、長い間、土地神の話を聞いていた。
何故だか足は痺れなかった。
それだけじゃなく、何だか居心地が良かった。
その時、私はまだ知らなかった…自分の本来の存在意義を…

続く

今日の名言
『戦争を始めたのは…誰でも無い、この歪んだ世界だ!世界自身が、戦争を始めさせたのだ。』

以上!




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