CHEチェ 39歳別れの手紙
- カテゴリ:映画
- 2009/02/20 23:32:09
今年6作目の映画館鑑賞。
素晴らしかったです。
1部がまったく万人向けではなかったので自分の知識では不安になっってしまって、
2部には少し勉強してから行くことにしたら、上映終了ギリギリになってしまいましたが、正解でした。
1部と2部をあわせて1本の作品で、1部は2部の為の補足的な要素になっています。
ゲバラの死へのカウントダウンであるこの2部のための。
前半と後半で画面のサイズが変わります。
『チェ 28歳の革命』がシネマスコープサイズで、ゲバラの一人称的な記録映像風に綴られたのに対し、
『チェ 39歳別れの手紙』はビスタサイズで、多角的な視点からボリビアのゲリラ戦が展開されます。
画面のサイズが狭くなることで、前半とずいぶん印象が変わります。
2作続けて観ることができれば、その効果がよりはっきりと感じられただろうと思います。
ゲバラの死へ向かって淡々とドラマが進んでいく中、マット・デイモンが登場します。
彼がスクリーンに映ったとたん、静寂と緊張感に包まれた重苦しい空気がふっと軽くなって、
突然ハリウッド映画になったよう。
マット・デイモンの凄さはよくわかりましたが、正直、ぶち壊された気分でした。
落ち着いてみると、まあそれでよかったかなと思えます。いくらか辛さと悲しみが緩和されて。
このチェ2部作は、ゲバラのよい部分だけを切り取ったものですが、中立であろうとして作られています。
今なお多くの人々のシンボルとなっている命を賭して変革を求め続けた革命家ゲバラの、
こうあってほしいと信じたい、チェ・ゲバラの死に様がベニチオ・デル・トロによって見事に再現されています。
ゲバラの死によって映画は終わります。無音のエンドクレジットが涙でかすんで見えませんでした。
そう、無音なんです。自分の鼻をすすりあげる音にしまったと我にかえったら、
まわりから自分じゃない嗚咽とかが聞こえていていたので、安心して鼻をすすってきました。
いちうおうこのくらいは観る前にわかっていてねという時系列を。
南米の旅に出たのが1951年。23歳のとき。『モーターサイクル・ダイアリーズ』
1953年 通常6年の課程を3年で終え医師免許を取得。大学卒業後、再び南米へ。
1956年 カストロと出会いキューバ革命に参加。28歳。
1959年 ”キューバ革命”が成立。
1962年 ”キューバ危機”
1964年 国際連合総会でキューバ主席として演説。
1965年 国際的な闘争に参加するためキューバを離れる。
1966年 南米ボリビアのゲリラ戦に参加しこれを指揮する。
1967年 逮捕され処刑。享年39歳。
プラス最低限は、”キューバ革命”についてかるく勉強してから観ましょう。
えーっ、そんなの面倒と思うときは、他の映画を観ることにする方が建設的だと思います。
”キューバ危機”はこの映画ではわからなくてもいいけど『13デイズ』を観ているといいかも。
それにしても邦題、かっこわるすぎです。
★★★★☆ 【CHE: PART TWO/GUERRILLA】
2008アメリカ・フランス・スペイン
でも。ブラピ主演でもう少し万人も向けに撮ってくれてもよかったんじゃないのか?
と思ったり…。
めっちゃ参考になりました!!
ちょっと勉強してから、DVDでまとめてみますね。
マット・デイモンが出てきてその場の雰囲気が変わるっていうのすごーいわかる気がします。
画面サイズが変わったことに気づいたひとはどれくらいいるんだろう?
ながつきさんの鑑賞のされ方に脱帽。