初夢の続きは「イベント版」 (4)
- カテゴリ:イベント
- 2010/06/20 16:14:02
なんてことだ!どうしよう。。
こんどこそ優とふたりでカラオケに行こうと思ってたのに!
このまま、あいつらに邪魔され続けるのか!!
。。。いやいや。いいことを思いついた。まずは優にメールだ。
-カラオケ楽しかったよな。明日またふたりで行こうぜ。実はふたりだけで相談したいことがあるんだ。梅子のこと好きなやつがいてさ、今度の休みにみんなで遊園地に行こうっていてるんだ。そのことで。-
優からの返信はすぐにあった。
-いいよ。待ってるから、放課後に声かけて。なんかドキドキするね。-
よし♪ 僕からのメール待っててくれたんだよな。ふたりで秘密を共有して、うまくいけば、アイツもナベももう僕たちを邪魔しないだろう。むしろ感謝しろ。僕たちのために働いてくれ~。
きょうはいろいろと分からないことがあったけど、そんなことは些細なことだ。明日は優とふたりでカラオケ!それだけを考えて、僕は期待にはじけそうな胸をかかえて、無理矢理眠りについた。
その夜、霞 松梨は自室の勉強机に座り頬杖を付きながら写真立てに向かってつぶやいていた。
「はぁ~なんでうまくいかないんだろ…」
写真立てには、ピースサインをした男の子と男の子の袖に捕まりうつむく女の子が写っていた。
「こういうのなら簡単なのにな…」
すると、机の上のペンや消しゴムが、重力の呪縛から解き放たれたように浮かび上がった。
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」の言葉どおり、入学してまず梅子と親しくなった。
そして先のカラオケ、マイクを離さずにチャームの能力を使ったはずなのに、効果は現れなかった。
考えられる、原因はいっぱいいあった
自分の能力が弱かった。周波数があってなかった。精神抵抗力が常人より強かった。対抗能力で相殺されていた。対魔聖域だった。etc…
若干掛かっていたとしても、おそらく梅子のチョップで消し飛んでしまっただろう。
ライバルは、優じゃなくって梅子?そんな考えも脳裏を掠める。
「おばあちゃんの言うとおり、こんなので振り向いてもらってもダメなのかなぁ」
大きく伸びをすると、下から母親の声がした。
「松梨ちゃん~お風呂入っちゃいなさい」
「は~い」
椅子から立ち上がり写真立ての上部に指を掛けた。
「約束忘れてないよ…大好きだよ、悟」
写真立てを、手前に倒し、松梨は部屋を出た。
松梨がお風呂からあがると携帯に電話が入った。
名前じゃなく見覚えのない番号がディスプレイに表示されている。
「間違い電話じゃん」と思って、、手にとってみると
「霞さんですか?」聞き覚えのある小さな声がした。この声は、たしか最近聞いた。。
「深城(ふかき)です、この間カラオケで、、」
「あ~誰かと思ったよ、桃香ね」何であたしの電話番号知ってんのよと思いながら言った
「霞さん、今度の休みに遊園地へ行きましょ?」
松梨は、はぁ~なんで桃香と遊園地!と思ったが、何かあるなと思い
「誰来るのよ、」さりげなく聞いた。
「私と二人じゃだめ?」小さい声だが、有無を言わさない強さを感じた。
「え?」
「悟君や渡辺君たちに偶然会うかも」
「どういう意味?あ、悟が好きなのね、この前そんな気がしたよ」面倒くさそうに松梨は言った。
「霞さんだって悟が好きなくせに」桃香がくすっと笑った。松梨はいらっとした。
「霞さん、私知ってるの。あの時、一瞬、優を他の時空へぶっ飛ばしたでしょ」
「え?」松梨は青くなった。なんで桃香があたしの秘密を知ってるの。梅子も知らないのに。松梨は桃香に不快感を覚えた。
あの時、たしかに優がいなければ、と思った。そして自分でも不思議なくらいパワーを貯めて優を吹っ飛ばしてしまったのだ。
でも、一瞬の出来事だったし、誰も気づいてないはずだった。
桃香は続けた。
「優は一瞬50年後に飛んじゃって混乱して、自分はこの時代の人じゃないって言い出して、だから『私も』って言ったの、そしたら、次々みんな言い出して、」
松梨はあのときの状況を思い出した。
「でもさ、何でそんなことわかるの!!、あんた何者よ!」不機嫌に松梨は言った。
「あたし、いつもじゃないけど、時々、人の気持ちや思ってることが読めてしまうの」松梨の気持ちなどまるで関心がないように、静かに桃香が言った。
「ふう~ん、便利じゃん、じゃ、悟の気持ちも読めるのね?」
「それは、できないっぽい。この前は、梅子がカラオケに行くということがわかって、梅子の前で『あ~カラオケ行きたい』って言ったら、誘ってくれた。」
「梅子らしいや、あいつ、がさつなようで優しいからね、で、遊園地は誰から?」
「渡辺君をコンビニで見かけたの。そしたら、ニヤニヤしてて、なんだろうと思ったら次の休みに悟と優と梅子と遊園地に行く嬉しい~って思ってた、渡辺君は梅子が好きなの」
「へ~~っ!!」といって松梨は笑い出した。
「梅子がねぇ、あんなハンサムにほれられるとは。。。」