ファイブスターズ(仮)・3-3
- カテゴリ:自作小説
- 2010/04/23 12:04:59
一通り名乗り終えた後、ファリシアは改めて五人に問う。
「私はファリスの神官戦士。…そして“取り替え子”でもあります。
それでも私に手を貸していただけますか?」
「あッたりめーだ。オレは親父達に自慢できる手柄が欲しいからなッ」
チャーリーが胸を張って答えた。
「鍛えるものは一つでも多い方が良い。増してそれがブラキ神の意思なら尚更の事」
バルガスは厳かに頷く。
「【英雄譚】を作りたいもの。手を貸さない理由はないわ」
リルルはつま先立ちでファリシアの目を見てそう言うと、
「…私はある問いの答えを探してます。
貴方と組めば…その答えが見つかるかもしれません」
穏やかな笑みのままでエルシアがそれに続く。
「『古代語魔法を極めるには、冒険者になるのが一番の近道だ』
私は師匠からそう教えられた」
髭を撫でながらマートが五人の意思を纏めるようにしめた。
「…ありがとうございます。では話はファリス神殿へ-」
とファリシアが言ったその時。
「…『五つ星』(ファイブスターズ)」
一部始終を見ていたマクロイがそう呟いた。
「「えっ!?」」
ファリシアだけでなく、一行が驚きの声を上げた。
「ファリスの神官戦士の呼びかけで、五人の冒険者が集まった。
そしてその男の星印にあやかってな。
我ながらセンスある呼び名だと思うが」
マクロイはニヤリと笑ってから、真顔に戻り六人に向かって、
「どんな依頼なのかは知らないが、この名に恥じないよう頑張るのじゃぞ」
「は…ハイッ!」
ファリシアは真摯な表情で答えた。
こうして、一つの冒険者集団が誕生した。
彼らの戦いは、これから始まる-。
6人の運命や、いかに。
これからが楽しみです。