J.E.Stiglitz
- カテゴリ:日記
- 2009/02/02 17:25:29
時事通信とFNNが2/1に配信した所に拠ると、
‘新報道2001’に出演した自民党.菅義偉 選対副委員長が
政府紙幣発行に関して、
『非常に興味を持っている。100年に1度と言われる中では一つの政策かなと』
『これによって輸出産業が一息つくこともある』と発言したそうだ。
亦、別の党幹部も『政府紙幣発行は、官邸での検討課題に挙がる可能性もある』と
しているそうな。まぁ、‘可能性’なら何だって在ろうが。
政府紙幣発行が 取り沙汰されたのは2003年に遡る。
'03.4.16.財務省国際局調査課が行った、
‘関税・外国為替等審議会 外国為替等分科会
第4回 最近の国際金融の動向に関する専門部会’に於いて
2001年に情報の非対称性の理論に対する貢献により
ノーベル経済学賞を受賞した Joseph E. Stiglitz コロンビア大学教授が、
銀行への資本注入を目的として提案したのだ。
氏は政府紙幣発行の利点として、
1.政府通貨は永久に償還されず、
国債等 政府ファイナンスの様に借り替えを要しない。
2.会計上の枠組みに於いて、政府の債務の一部として計上されない。
3.緩やかに増発すればハイパーインフレを引き起こすコトはなく、
適正なインフレ率の水準と為る様な、貨幣供給量に調節可能である。
4.円の減価(depreciation)により、債権国である日本のB/Sが改善する。
氏が6年近くも前に、
‘日本が現在の総需要不足に対して何らの措置も講じない場合、
金融システム問題が深刻化し新技術への投資が縮小するに伴い、
構造改革がこの総需要不足問題を実際に悪化させるという
危険性が存在します。’と予言していたのは流石である。
もっと謂えば、
‘世界の外貨準備金の存在は、相当の金額に上る世界の所得が
毎年地中に埋蔵ないし死蔵されていることを意味します’
‘現在、2兆弗を上回る外貨準備金があり、
毎年数千億弗ずつ外貨準備金が積み上がっている’
此の言及されている 外貨準備金=埋蔵金が
昨今 彼れや此れや謂われる所の定額給付金に使われ様としているのだ。
‘外貨準備’というからには、外貨(≒弗)で埋蔵されている。
政策の是非は措いても 円高の今、其れを取り崩すのは莫迦な話だ。
先ず政府が紙幣を発行し、円を減価させた後、為替を行えば宜しい♪
最近の国際金融動向に関する専門部会 議事録(平成15年4月16日)
http://www.mof.go.jp/singikai/kanzegaita/giziroku/gaic150416.htm
問題は規模と目的とシステムだ。
財政赤字の穴埋めか、企業支援か、国民配布か。
円で刷るのか、一国二通貨か。
一発 時限的か、恒久的か。
インフレターゲットを如何なる水準に設けるか。
まぁ、其の辺は専門家が考えてよ (-。-)y-゜゜゜
此処はスティグリッツ氏と見解が異なるが
以前指摘した通り、当然 勿論 少なくとも 銀行注入なる愚を犯してはならぬ。
不良債権処理以前の6年前とは状況も違うだろうけど。
亦、仮に円とは別通貨で国民配布する場合、
貯蓄性向の高い(=消費性向の低い)とされる日本人用に
マイナス金利を付与した通貨を発行するという ideaが在るのだが、
其れを記したいなら、私は最低でも
Silvio Gesell‘自然的経済秩序’を読まねばならないだろう。
まぁ、読み終える頃に 話が動いてたらでいいや (-。-)y-゜゜゜
今日の1曲;the band apart ‘led’
http://jp.youtube.com/watch?v=Ryh8Weye-Y0