有名人でお洒落な人ですか。。う～ん。難しい。
そんな視点でみたことがないですね。
メディアに登場する時は、たいていスタイリストがついているでしょうしね。

アパレル関係の仕事をしている友人に「今年の流行は何？」
と訊けば、大きな流行はここ数年ないんだそうです。
だから不況なのよ。。なんだそう。。。
いわゆる多様化が進んだのでしょうね。

ならば、外見より中身を考えてみましょう。

「純情ババアになりました」
これは加賀まりこさんの自伝。
芸能人の自伝は読むことはないのですが、あの毒舌評論家、斉藤美奈子さんが
褒めておられたので、文庫になったのを機会に手にとりました。

有名な話、川端康成作品の映画化主演に、本人に指名され会ったシーンは
映画よりも映画的です。

料亭旅館の和室、膝丈の巻きスカートが何かの拍子にめくれた時
「そのスカート、もうちょっと上にあげてごらん」
と言われたそうだ。

枯れた白髪の老人、二十代前半の若き女優。
一歩間違えれば、イヤラシサ以外のなにものでもない。

ところがまりこさんはそう感じなかったそうだ。
とっても清澄なる官能、という、不思議で貴重な時間が流れていたという。

恋もたくさんしているが、晩年と呼ばれる幾つかは、やはり小説のよう。
不倫だったが、相手はすでに癌に侵されていた。
与えるだけの愛を知り、葬儀の席、家族の赦しを得て、最期のお別れをして
帰る途中、ハイヒールの片方が脱げていた。
気づかずしばらく放心状態で家に辿りついた。
何処で脱げたのかと探しに行くと、あの人の家の前に
黒いハイヒールが横たわっていたという。

極め付きは５０歳くらい？息子ほど歳の離れた男性（２４歳）と相思相愛となった恋。
まりこさんは期限を自ら決めていた。
始めるには勇気が要った。終わるにはさらに精神力が要った、という恋。
切なさがあったからこそ、今、彼にもわたしにも財産となった。

かっこいいですね。今はちゃんとしたパートナーがおられるとか。

若いころのキュートな彼女の姿を貼っておきましょう。
http://ameblo.jp/kada0823/entry-10100255628.html


向田邦子さん、も黒しか着ないお洒落な人でした。

彼女を乗せた台湾行きの飛行機が消息を絶ってから、
もう３０年近くなるんですね。。
鮮やかに逝かれました。

浮いた噂のなかった彼女も、密やかな恋をしていました。

自分が動けば誰かが傷つく。だから語らず、動かず、辛い恋を
内に秘めながら生きていたんですね。


千葉敦子さんも
かっこいい女性の一人です。

まだまだひよっこだった頃、彼女の強さに驚愕し
強さとは哀しいものだと知り、ボロボロと泣いたものでした。

もう亡くなって２２年ですか。。
乳癌の闘病生活、すべてを克明されていました。
死ぬ三日前まで、記述しておられるんです。

癌転移後も、単身ニューヨークに渡り、執筆活動で自らを養っていたのです。

人にも厳しく、自分にはもっともっと厳しい人でした。
彼女の甘えない生き方と潔さ、切なくなりながらも憧れたものです。

文庫本も本屋で見かけなくなり、彼女も過去の人になりつつあるのか。。
淋しさがぽっかり。


すいません。。火曜日より一週間ほど留守します。
バタバタと出掛け、またバタバタと戻ってきます＾＾；；；
桜、もう消えてるかな。。