全日空が業績見通しを下方修正
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- 2010/03/19 22:55:51
気になる決算見通しでした。
http://www.ana.co.jp/ana-info/
ライバルの日本航空が破綻して、全日空の経営はかなり楽になる、
なんて考えてたらとんでもないです。
営業赤字が▲200億→▲610億に拡大とのこと。
元々この業界は世界的に見通しが暗く、
LCC(ローコストキャリア)と呼ばれる格安航空会社が元気な一方、
昔からある航空会社は世界中で軒並み苦戦しています。
今朝の日経でもほぼ正確なH22.3月期業績予想が出されてましたが、
今日午後の適時開示(ANAが出した正式な資料)でもしっかり確認しました。
以下、気になったところ。
★為替の見通しが甘い
想定為替レートは1ドル=94円とのことですが、現在は1ドル=90円。
ドバイ原油の想定レート:1バレル70ドルは見通しが甘いのか辛いのか
よくわかりませんが、 原油価格は割高に推移しているようです。
ある程度はヘッジしてると思いますが、円安&原油安に触れないと損失はさらに拡大しそう。
★客単価が上がらない
航空券のダンピング競争のせいでしょうか?
客足の戻りが鈍いのはともかく、客単価も上がっていないとのこと。これも気になります。
「同業他社との競争が予想以上に厳しく推移した」とありますけど、他社ってJALですよねえ。
JALはダンピングを厳に慎むべしと言われてるはずですが・・・
今年度はもちろん、来年度以降もこの傾向が続きそうなのも不安です。
★そして、ぜんぜん楽になっていない
理屈はともかく、唯一のライバルが破綻しても利益をあげられない、というのは注目に値します。
航空業界は複雑なので因果関係を突き詰める気はありませんけど、
一社が苦しくなれば別の一社が楽になるような業界ではないということがわかります。
今回下方修正したのは昨年公表してる数値ですから、JAL破綻は織り込んでいないはずです。
逆にJALのほうがぜんぜん苦しんでいないかというと、そんな風にも見えませんが・・・
やっぱり客はスカイマークに流れているのかなあ?
スカイマーク羽田-神戸便などは安くて便利なので私もしょっちゅう使ってます。去年は福岡便も使いました。
いつ乗っても若い人、とくに若い女性の比率が多い気がします。
年配の方なら多少高くても手厚いサービスを受けたいだろうけど、
私にはスカイマークのサービスで十分です。
多少安全性に難があっても、運航中に操縦士が記念撮影してても、さほど気にしません。運転は自動だし。
安全性を問題視するなら、人間の資質よりも
整備関係のコストをケチってないかどうかのほうがよっぽど気になります。
あと、客は高速バスにも流れている気がします。
先日久しぶりに東名高速バスに乗ったところ、いままでいつもガラガラだった平日に、ほとんど満席。
危うく乗れないくらい、というのを二度も経験しました。
こちらは旅行中っぽい若者に混じってスーツ姿のおっさんが結構いたのが意外だったのを覚えてます。
会社の命で新幹線を使えないのか。それとも自分で出張旅費を浮かしているのか。
先日発表された、学生の就職人気ランキングでは
ANAが上位にランクされてるので驚きました。
学生さんたちは、今のANAの苦しい経営環境をわかって志望しているのでしょうか?
の観測は少なからずあるようですね。
株価の動きも、権利取り絡みとはいえちょっと奇妙です。動きがあるとしたら来月かな。
安定と、他力本願が目的じゃないかな。
原因は、『不安』だと思うけど。
でも東証一部は比較的従業員が多いので使えない新入社員よりか
転職系を狙いたい・・・ギャップありありですね;;
それに加えてリーマンショック!
そのこと以前に日本の空港政策の失敗のありますね。
儲からない地方空港を建設してばかりで、空港の使用料も高くなる。
不便さが目立ち(アクセスの悪さ・24時間稼動不可能)
空港としての機能も北京・上海・香港・仁川・シンガポール・ドバイに遅れを
とってしまう。
それが、日本の航空会社の儲からない理由のひとつでは?
それともネームバリューですかね。
みんなニュースも新聞もみてないんだろうなぁ。・・・。