かいじゅうたちのいるところ
- カテゴリ:映画
- 2010/01/30 23:15:49
今年1作めの映画舘鑑賞。
1963年に出版されて以来、読み継がれているモーリス・センダックの絵本を元にして、
絵本の世界がそのまま映像化されて広がっていますが、
ファミリー映画でも小さい子供向きでも万人向きでもない、淡々とした地味な映画です。
アナログな着ぐるみにCGで加えられた表情が融合したかいじゅうたちの描写はすばらしくて、
その映像と音楽が一体となった様も見事でしたが、
絵本の表面的な映像化を期待しているのなら、予告映像で十分だと思います。
主人公の男の子マックスは、ある晩、オオカミの着ぐるみ姿で大暴れします。
お母さんにも暴言を吐き、夕飯抜きで部屋に行くように言われるのだけど、
船で海へ乗り出したマックスは、かいじゅうたちの住む島へ辿りつき、かいじゅうたちの王様になります。
どうして、マックスはあばれたのだろう。
どうして、かいじゅうたちは、どこか寂しそうに見えたのだろう。
どうして、かいじゅうたちは、そこにいるのだろう。
どうして、マックスは、かいじゅうたちのいるところへ行ったのだろう。
そこは、かいじゅうたちのいるところは、どこにあるのだろう。
そいういうことをいつまでも忘れられない子供や大人のためのひとつの解釈を示しているような映画です。
だからと言って、それで押付けたり決め付けたりするのではなく、
観る人によっていろいろな捉え方ができます。
絵本には書かれてない部分に今の時代に相応したリアルな設定が加えられ、
マックスは事情のある家庭の等身大の男の子として描かれます。
現実とリンクしたマックスの心象風景のような”かいじゅうたちのいるところ”で繰り広げられる
外見とは裏腹に繊細なかいじゅうたちの諍いは観ていてとても切ないです。
マックスの様々な感情のメタファーのような個性を与えられたかいじゅうたちは、
マックスの現実の人間関係が反映しているようでもあります。
ボロボロと泣いてしまった自分に、やっぱり私ってちょっと病んでますか、という感じでした。
絵本の結末と同じに、マックスは”かいじゅうたちのいるところ”を後にして、
少しだけ大人になって少しだけ強くなって母親のもとに帰ってきます。
大人にならざるを得ないマックスと、息子をそういう状況に置かざるを得ない母親の姿は、
胸が締め付けられるようでとても辛いです。
だけど、”かいじゅうたちのいるところ”に留まることもできす、帰る場所も無いときは、
永遠に小船で海をさまようしかないのだろうかと考えてしまいます。
でも、きっとそうやって、海を漂っている仲間はたくさんいるよね?独り言です(笑)
★★★★☆【Where the Wild Things Are】2009アメリカ
子供向きの映画にはなっていません。
かといって、大人が子供時代を思い出すだけには単調で退屈に感じてしまうかもしれません。
背伸びしている子供と病んだ大人(というと若干語弊がありますけど)と分析好き(笑)向きかなと思います。
気になるのだけど、随分腰が重くなってるので、我ながらマズイな〜、と思ったり。
>kerosanさま 私は感情移入はしませんでしたが、マックスとシンクロする人もいると思います。
字幕鑑賞です。日本語吹替のCMを見ましたが、よく似た違う映画のように感じました…。
>ソラリスさま 賛否を論じる映画ではないです。好き嫌い、合う合わないは分かれますね。
ファンの方には申し訳ないけど、CMで見た限りでは吹替の男の子はキャラクターに合っていません。
>伊勢うどんサマ 観終わった後もいろいろ考えてしまう映画でした。
いつかまた、今度は少し引いた視点からじっくり鑑賞しようと思います。
この映画はあまり関心ないけど 見に行ってもいいかなと、このブログを読んで思いました
賛否が分かれてるみたいですね。
吹き替えの加藤清四郎君(だったかな?)が可愛いけど。
サークルの管理人さんも見られてましたね^^
吹き替えで見られました?
泣いてしまわれましたか。。。。^^
ということはそれなりに感情移入できる映画なのですね。
絵本は読んだことがあります。
子供向けと思って観るといい意味で期待を裏切られる感じがしました。
自分はちょっと退屈しちゃって睡魔が…^^;